診療科のご案内

皮膚科
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皮膚科について

東京警察病院皮膚科では、最新鋭の診断治療機器を装備し、皮膚感染症を中心に、皮膚腫瘍、皮膚炎、蕁麻疹、脱毛から爪の疾患まで、皮膚疾患全般を診療いたしております。合理的な治療方針をモットーとし、必要に応じて、迅速に検査、入院などに対応させていただく方針としております。適時、最新式のQスイッチルビーレーザー、光線治療装置(ナローバンドUVB)、真菌などの微生物学的検査、ウッド灯検査、最新の顕微鏡、蛍光顕微鏡などを駆使し、専門性の高い診断と治療を志向します。また、他の医療機関との連携、院内他科との連携を円滑に実施し、電子カルテシステムによる情報共有、最新の検査システム、画像診断システムが可能となっております。おおむね皮膚疾患全般をカバーする一方、皮膚感染症、脱毛症、爪疾患の診断治療、プロペシアによる男性型脱毛、美容目的のレーザー治療など、専門性の高い領域にも対応しております。外来で微生物が明確な場合には、モニター付き顕微鏡装置、真菌培養、ウッド灯検査などを駆使し、微生物などを目の前にとらえつつ説明を受けることも可能となっています。この場合、疾患に対する理解が深まり、かつ、モチベーションが向上するとおおむねご好評をいただいております。また、形成外科との連携による、大きな皮膚癌病変の手術治療などにも対応しております。

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皮膚科で診る主な病気

皮膚科領域では、日常診療で200以上、専門医テキストレベルで500以上、学会論文レベルでは1000以上の疾患名を扱っています。病理学的な検討を加えることで、母斑(いわゆる「ほくろ」など)、良性腫瘍、悪性腫瘍、前癌状態だけで100種類以上の疾患名を区別していますので、一般に考えられている以上に専門性の高い領域かと思われます。 また、入院実績の多い代表的疾患を以下にお示しいたします。

帯状疱疹

神経櫛(代表的には背骨の脇あたりにある神経の根本のようなところ)に潜んでいた水痘帯状疱疹ウィルス(水ぼうそうと同じウィルス)の再活性化による疾患です。水疱が帯状に分布することと、疼痛を伴うことが特徴ですが、虫刺され(虫刺症)、かぶれ(接触皮膚炎)などと間違われやすいので注意が必要です。最初は軽くても、後々に大変な疼痛を伴ってくることが多いので注意が必要です。重症の方、頸部から上に発症する方、ご高齢の方では特に入院治療の対象となる疾患です。眼に視力障害を残すケース、顔面神経麻痺を伴うケース、あるいは年余にわたって疼痛が持続するケースもありますので、決してあなどれません。したがって、初期のうちにしっかりと治療しておくことが推奨されます。発症からある程度の時期までの患者様については、抗ウィルス薬(原則入院では点滴、外来では内服)による治療が基本となります。

丹毒(溶連菌感染症)、蜂窩織炎

小さな傷から細菌が進入し、血流の豊富な脂肪織に沿って細菌が増えた状態の感染症です。皮膚が赤くはれ、熱感があり、重症化すれば、リンパ節がはれ、発熱などを伴います。通常は下腿の蜂窩織炎が多いのですが、顔面または下腿に光沢のある紅斑を生じる溶連菌感染症の場合は丹毒といっています。丹毒の場合は、腎臓に障害をきたしたり、習慣化して延々と反復したりすることもある(習慣性丹毒といいます)ので、特に長期的な治療を要します。赤い部分がみるみる広がるようであれば(例:足の甲の赤みが足関節を超えてすねに拡大)病院へ受診を強くお勧めします。おおむね1週間(糖尿病など合併症のある方、壊死性筋膜炎へ移行するなど重症の方はさらに長期)の入院の上、抗生物質の点滴投与となります。この場合は、軟膏を外から塗っても効きません。足を腰と同じ高さに挙げて安静にし、冷やすことも重要で、安静も治療の一環となります。対応が遅くなり、脂肪織の炎症が筋肉にまで及んで重症化すると、命にかかわる場合もないとはいえません(壊死性筋膜炎、劇症型A群溶連菌感染症など:まれな重症感染症ですが、当科でも経験があります。幸いこの10年以上当科では死亡例はありません。)。数日以内に急速に進展することもあるため、なるべく早期に受診していただくことが肝要です。

診療内容と特色

2008年4月飯田橋から中野に移転した後、飯田橋にあった頃と比較して、幾分、違った手ごたえを感じながら診療をさせていただいております。 それでは、どのような変化があったのでしょうか。それらの要点をまとめてみます。

1.中野杉並地区の中核病院として定着した印象であること

中野杉並地区では、飯田橋と比較して、開業クリニックが多い一方、総合病院が少ないといえます。おかげさまで、中野杉並地区において、すでに多くの入院実績をいただいており、この地区でおおむね最も多い稼働実績が得られています。こうしたことからも、おかげさまをもちまして、すでに近隣クリニックからもすでに中核病院として扱っていただいている手ごたえを感じております。

2.日本政府および厚生労働省のシステムが変革されたこと

厚生労働省の方針として、総合病院では、軽症よりは重症、みずから来院される方よりは紹介患者さま、外来よりは入院に診療実績をつみあげることが求められています。したがいまして、他科も同様の傾向ですが、皮膚科についても、かつてよりも、入院対応を要する症例(急性感染症、重症、手術など)、他のクリニックや他院などで改善しない症例、高度な医療機器を用いた診断治療などへの対応が求められています。

3.中野移転後、外来診療における変化

当科では中野移転後、原則予約制とさせていただいております。おかげさまで、すでに1ケ月以上先まで多数の予約をいただいている傾向にあります。また、皮膚科は全般にかつ全国的に外来診療が中心となる傾向ですが、急性皮膚感染症(帯状疱疹、蜂巣織炎、丹毒など)、皮膚腫瘍手術、急性発疹症などでは、入院対応をさせていだいております。入院、手術などの対応を要する症例では、一般的に診療手続きなどに長い時間を要する傾向にあります。その結果、なるべく迅速な対応を心掛けておりますが、重症、入院、紹介患者様などへの対応が重なる状況などでは、予約がある方でも、まことに恐縮ながら、かなりお待たせすることがありますのであらかじめご容赦いただければ幸いに存じます。また、現状予約外の方もお受けしておりますが、予約の方でもお待たせする傾向であるため、予約外の方に関しましては、さらに長時間お待たせする傾向となりますので、あらかじめご理解のほどをよろしくお願い申し上げます。

4.入院対応について

上記事情から、外来全般は混雑していますが、帯状疱疹、蜂巣織炎、丹毒などの急性感染症(上述)を中心に、迅速な入院対応を心掛けております。皮膚急性感染症や、手術を要する場合では、入院治療の目的のひとつとして、休養ないし、安静にしていただくことも重要です。また、糖尿病など基礎疾患の管理が重要となることもあります。近年、当院のみならず、全国的な傾向ですが、急性期病院全般に求められている変化として、入院はなるべく迅速に対応し、個室の割合が多く、入院は急性期をすぎたら、なるべくすみやかに退院いただく傾向となっておりますので、ご理解いただきますようお願いいたします。

5.皮膚疾患の多様性と日常性について

本邦ではあまり認識されているとはいえませんが、上述のごとく、皮膚疾患はきわめて多様であり、皮膚科専門医では優に500以上の疾患を扱っています。一方でだれもが「ほくろ」をお持ちであり、それが「皮膚癌ではないか?」と疑えば、全員が皮膚科受診を希望されてしまうことなどからおわかりのとおり、皮膚疾患はとてもありふれており、日常的にみかける疾患でもあります。したがって、皮膚科外来はおおむねどの病院でも混雑している傾向となっておりますので、ご理解のほどをお願いいたします。

6.皮膚科専門医制度について

多数の皮膚疾患を扱う性格から、専門家集団としての日本皮膚科学会では日本皮膚科学会認定皮膚科専門医(日本皮膚科学会ホームページご参照ください)を認定するシステムをとっています。一般に、診療科の中に「皮膚科」の記載があっても「専門」は他の診療科であることも多く、皮膚科専門医とは限りませんのでご注意ください。東京都内には2000人程度の皮膚科専門医が在籍していますが、多数の開業医師、引退した医師、大学で研究を専門にしている医師も含んでいます。総合病院皮膚科に勤務する皮膚科専門医は都内で400名に満たない状況となっています。当科では皮膚科専門医3名、日本皮膚科学会所属皮膚科医師1名(資格準備中)の計4名で診療にあたっています。

7.日本の皮膚科診療の現状と他国との比較について

日本では東京で約2000人程度の皮膚科専門医の数ですが、アメリカでは同程度の人数で全米をカバーしている状況です。およそ、アメリカ、イギリスなど主要先進国では、皮膚科専門医への診察予約は2カ月以上待ちがあたりまえで、診療費もとても高額とおききしています。数時間以上待っても、その日のうちに皮膚科専門医に診てもらえる先進国は私が知る限りでは日本しかないのではないかという状況のようです。
ただし、諸外国、日本とも皮膚科専門医以外に皮膚疾患も診療する一般医師は多数存在しています。重症、皮膚癌など生命にかかわる皮膚疾患、入院対応、高度な検査、判断を要する疾患などを中心に皮膚科専門医への受診をおすすめする関係で、厚生労働省の考えでは当院を含めた急性期病院を受診される場合は、通常、紹介状をお持ちいただくことが推奨されています(お持ちにならなくても受診は可能ですが、特定療養費が加算されますのでご注意ください)。

8.診療時間について

受付時間は月曜日から土曜日の午前8時00分から11時30分です。原則予約制で、予約の方優先です。この時間帯につきましては、今のところ、急を要する予約外の方も随時受け付けていますが、予約外の方ではかなりお待ちになると思いますのでご容赦お願いいたします。午後は手術、レーザー治療などへの対応のため、こうした特殊な治療のための予約患者さまのみをお受けしております。ご多忙の皆様にはご不便な部分もあろうかと思いますが、ご容赦ください。なお、おおむね受付時間順の診療となっておりますが、発熱を伴う発疹をお持ちの方、入院を前提で紹介状をお持ちの方、警察関係で緊急を要する方の診察など、受付順とは別の配慮をさせていただく場合がありますので、あらかじめご理解を賜りますようお願い申しあげます。

9.医療機関の方へ

当院では、午後、一般再診患者様の診療はお受けせずに、入院治療(随時)、手術(原則月曜または火曜午後)、レーザー(原則火曜午後)、光線治療(火曜午後または随時)など、専門性の高い治療の患者様の受け入れのみとさせていただく方針としております。紹介初診の患者様につきましては、医療連携室より予約をお受けしておりますのでご利用ください。通常、初診は午前中(11:30まで)お受けしており、一方で専門治療を要する患者様は、診療時、担当医の判断により午後の診療枠に予約させていただいております。したがいまして、患者様が午前11:30までにご来院可能な場合には、随時診療をお受けしております。帯状疱疹、中毒疹など、連携医の方のご判断として、迅速に入院治療などの専門的な対応を要する場合につきましては、可能な限り迅速に対応させていただく方針としておりますので、あらかじめ、医療連携室又は皮膚科担当医までご一報いただきますようお願い申し上げます。とは申しましても、一部手術(原則月曜午後)、学会(例外的)、会議(随時)などで電話対応も含めて、迅速に対応できない場合には、通常対応とさせていただくことになりますので、あらかじ御了解いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

診療実績

診療実績(平成24、25年度)については表1-表6をご参照ください。上述のごとく、皮膚疾患全般に対応しておりますが、なかでも皮膚感染症の治療を得意としており、平成21年度実績として、帯状疱疹(新患118例/年、入院93例)、蜂窩織炎(同88例/年、入院29例)、丹毒(同31例/年、入院25例)の実績があります。ウィルス性発疹症などの急性感染症では、必要に応じて入院対応も含めた迅速な対応、およびしっかり治療することをモットーとしております。
溶連菌感染症を代表とする感染症は、最重症では劇症型A群溶連菌感染症など生命にかかわることもあるほか、そうでなくても習慣性丹毒、多形紅斑、アナフィラクトイド紫斑、掌蹠膿疱症、乾癬、蕁麻疹など、種々の皮膚疾患をさらに誘発し得るので可能な限り根治を志向しています。また、中毒疹などの急性皮膚疾患、種々の慢性皮膚疾患においても、必要に応じて背景にある感染症を検索、治療し、根治に至る治療を提案していく方針です。
さらに、標準的な皮膚外科手術に対応し、病理医師との密な連携により根治手術を志向いたします。血腫、術後感染などの術後合併症は2%未満で、良好な成績を維持しております。
近年、治療薬が画期的に進歩している尋常性乾癬の新しい治療(分子標的薬など)に対応できる日本皮膚科学会の認定施設となっておりますので、難治性の乾癬にお悩みの患者様もお気軽にご相談ください。

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