救急科について

当院の救急科は、救急科専門医のもと、ER体制をとっています。ERは救急室(emergency room)の略語であり、本来は診療スペースを意味していますが、北米型の救急診療体制をERあるいはER型診療を表す言葉として使われるようになりました。ER体制とは、専属の医師:ER医(ER physician)があらゆる救急患者に対して効率的な診療を行うことです。当院が通常の北米型ER体制と異なるところは、所属救急医の専門領域で担当できる場合は、そのまま救急科で患者を担当することです。また、救急科は、集中治療センター(ICU/CCU)を担当しており、英語表記で、Emergency and critical medicineとしています。重症患者は、集中治療センター(ICU/CCU)で担当し、時には緊急手術も担当します。当院の救急科医師は、ER physician(ER医)の基盤の上に、重症患者を扱うIntensivist(集中治療医)や緊急手術を扱うAcute Care Surgeon(外傷救急外科医)を目指しています。

救急科で診る主な病気

救急車で来院される通常の救急の患者様がすべて対象になります。内科系疾患で多いのが、めまい・一過性意識消失発作・消化管出血・脱水・肺炎・呼吸不全などで、外科系疾患では、外傷が最も多く、簡単な脱臼や骨折を含む四肢外傷や頭部・胸部・腹部打撲などを担当します。他に急性膵炎や腹膜炎などの急性腹症、急性の薬物中毒、横紋筋融解症、皮膚軟部組織感染症や熱中症・低体温などの環境異常疾患にも対応します。
通常は、救急病棟や一般病棟で救急科単独で担当しますが、重症例では、集中治療センター(ICU/CCU)で人工呼吸管理・各血液浄化法・経皮的心肺補助装置(PCPS)・脳低体温療法などの高度医療を駆使し、各科の専門医と協力して診療にあたります。