検査・診療行為に関する包括的同意について

当院では患者さんへの負担が大きい検査・診療行為に関しては院内の取り決めに従い個別に説明した上で同意を確認し同意書を作成しています。しかし、患者さんへの負担が軽いと考えられる以下に示すような検査・診療行為や教育病院として一定の基準をもとに定めた教育上の下記診療行為に関しては口頭または掲示にて説明および同意の確認をさせていただいております（包括的同意と称します）。

1) 一般項目

問診、視触診、体温測定、身体測定、血圧測定、リハビリテーション、栄養指導、食事内容の決定、カメラ等による患部撮影等

2）各種検査・モニタリング

血液検査・免疫学的検査・感染症検査（HIV検査を含む）、尿・糞便等の検査、微生物学的検査（痰・唾液等の採取を含む）、検体の病理・細胞診検査、各種生理機能検査（心電図、呼吸機能、脈波、超音波、脳波、筋電図等）、Ｘ線撮影、X線透視撮影、造影剤を使用しないCTおよびMRI検査、心理検査、経皮酸素飽和度測定検査、動脈圧測定検査、術中モニタリング（BISモニター、筋弛緩モニター等）、各種皮内反応検査（パッチテスト、皮内テスト、ツベルクリン反応等）など

3) 処置

静脈血採血、動脈血採血、動脈留置針挿入、痰等の吸引、経鼻胃管や膀胱留置カテーテルなどの留置、口腔ケア等の処置、創傷の処置（抜糸、皮膚小切開、縫合、チューブやドレーン類の挿入・固定・抜去、簡単なデブリードマン等）、経皮的生検、ブジー挿入、鼻内処置、口内処置、睫毛脱毛、爪切り、点眼処置など

4) 投薬・注射

通常の投薬、注射、末梢静脈内留置針挿入、持続皮下留置針挿入、酸素投与など

5) 画像の録画と保存

診療上必要な場合、診察室・手術室・集中治療室・透視室・アンギオ室・MRI室・CT室等において検査の内容や診療の様子を撮影した静止画・動画。
外部から切り離された院内専用のサーバー上で保存・管理されます。

＊　3）4)の診療行為は一定以上の経験を有する者によって行われますが、まれに出血、
しびれ、アナフィラキシー（アレルギー反応）やその他の予期せぬ合併症をきたすことがあります。このような合併症に対する治療は通常の保険診療として行われます。

薬品等の適応外使用について

治療上必要となった場合の医薬品等の適応外使用について

医薬品や医療機器は、医薬品医療機器等法に基づいて厚生労働省が承認した方法で使用することが求められていますが、治療の必要上、承認された内容とは必ずしも一致しない方法（適応外使用）で使用されることがあります。この場合、当院では院内においてその有効性・安全性に問題が無いかどうかを審議し承認した上で使用することにしています。　適応外使用を行う場合、通常は医師等が説明文書などを用いて患者さんに説明し、同意を得ることとしていますが、充分な科学的根拠があり、患者さんに有益であることが認められる場合には、文書等による説明・同意取得を例外的に簡略化することを、病院内の会議で承認しています。
患者さんは、その治療内容を確認し、治療を拒否することができます。　

診療情報の利用について

当院は医療施設であると同時に、より良い医療を提供できるよう教育・研究にも力を注いでいます。
皆さんが当院において治療や検査を受けられると、診療の内容や検査の結果、画像などが診療情報として保存されます。また、検査に使用した血液や尿等の検査試料、病理診断のための生検で採取した試料、手術で切除した組織等の試料なども診療上必要なものとして保存されますが、これらの診療情報や試料を医学研究や教育の目的で利用させていただくことがあります。診療情報や試料利用に際しては当院の規定および各種ガイドラインに則って取り扱いに十分注意し、皆さんの名前や身元が明らかになることは決してありませんのでご理解・ご協力をお願いいたします。

各種登録事業への情報登録について

当院では医療の質の向上を目的として学会等が運営する各種登録事業に参加しております。この各種登録事業への情報登録に際しては、提供先から個人が特定できない方法を用いることで個人情報の保護に努めておりますが、患者さんのご意志でいつでも情報登録を撤回することが可能です。なお、情報提供に同意されない場合であっても、診療に際して不利益が生じることはありませんが、すでに登録された情報に関しては取り消すことができない場合があります。
 
上記の包括的同意についてご不明な点がある場合や不同意の意思表示をされる場合には、担当医もしくは患者様支援室までお申し出ください。
なお、同意されない場合でも診療への影響はなく、不利益を被ることはありません。
＊　特定の患者様の検査・診療に関するお問い合わせは担当医にお願いします。