下記項目をクリックしてお読み下さい。

  • 1.がん治療のなかの放射線治療

    • 根治治療やがんによる症状を和らげるためなど、さまざまな目的で行われます。現在では、手術・放射線治療・化学療法(抗がん剤)ががん治療の3本柱とされています。
      がんの種類や状態に応じて、どれか1つの治療法を選んだり、いくつかの治療法を組み合わせて治療を行っていきます。日本でも放射線治療を受ける方は年々増えており、がん患者さんの2~3人に1人は治療のどこかの過程で放射線治療を受けるとも言われています。

  • 2.放射線治療にかかわるスタッフ

    • 専門的な技術を持った様々な職種が関わっています。

      人工関節

  • 3.放射線治療の仕組み(からだに与える影響のイメージと副作用を少なくする工夫の紹介です)
    • ・放射線がからだに与える影響

      • 紫外線による日やけと比較しながら考えていきましょう。

        紫外線:
        私たちは紫外線を受けると皮膚がダメージを受けて日やけをします。ですが、表面にしか届かないため、体の中はダメージを受けません。

        放射線:
        放射線は紫外線よりエネルギーが強く、からだの中で段々弱まりながら反対側につきぬける作用があります。そのため、体の中の通り道でも日やけ(ダメージ)をおこしていきます。正確には「放射線によるDNAの傷害」ですが、このダメージによって治療効果を得て、一時的ですが副作用もおきます。

    • ・治療効果を得ながら副作用を少なくするために ①照射を複数回に分ける

      • がん細胞:増殖力は強いが回復力は弱い
        正常細胞:増殖力は弱いが回復力は強い
        この性質の違いを利用します

        一度放射線治療(照射)を受けるとどちらの細胞もダメージを受けますが、正常細胞の方が次の日までに回復をする力がやや強い性質を持っています。毎日少しずつ放射線をあてることでがん細胞と正常細胞のダメージの差を大きくしていって、目的を達成しながら、正常細胞のダメージを許容内におさえるようにしています。
        がんの種類や治療の目的によって異なりますが、治療のために平日5日間、4~8週通っていただくこともあります。

    • ・治療効果を得ながら副作用を少なくするために ②照射方法の進歩

      • 色々な方向から正確にあてることが可能になりました

        以前はレントゲン写真を使ってどのように放射線をあてるかを決めていました。しかし、平面的な写真だけでは病変に正確にあてることが難しい場合もありました。
        最近では、CTやMRIなどを治療計画装置に取り込むことで、体の中を立体的にとらえながら計画を立てることが可能になりました。そのため、放射線をあてる最適な方向や量などを詳細に検討して、以前よりも効率的に病変に放射線をあてることができるようになりました。
        ただし、これらの工夫をした上でも、他の治療と同様に副作用には個人差があります。

  • 4.放射線治療の開始までの流れ(正確にあてるための準備に数日かかります)
    • ①治療開始前の診察と治療の説明

      • からだの状態を診察し、治療方法(部位・回数など)を決定します。
        回数はがんの種類や目的によって異なり、全部で4~8週かかることもあれば、1回で終わることもあります。
        治療は原則的に月~金曜日(祝日を除く)に行います。ゴールデンウィークや年末年始は、がんの状態によっては数日間照射をすることもあります。
    • ②CTの撮影

        • 治療部位の肌を露出した状態で撮影します。
        • 皮膚に専用のインクで印をつけます。
        • 約20~30分ほどかかります。体の痛みなどで長い時間同じ姿勢が出来ない場合には、遠慮なくお申し出ください。

        台に寝ていただきます

        インクで印を描きます

        CTで撮影している様子

    • ③治療計画

      • CTを使ってどのように放射線をあてるかを計画します。

        治療計画

    • ④位置決め

      • 立てた計画の設計図を皮膚に描きます。
        写真を撮って治療で照射する位置を決めます。約20~30分ほどかかります。

        位置決めしている様子

    • ⑤治療前の最終確認

      • 皮膚に描いた設計図通りにあてて問題ないか確認します。
        • 実際に治療する台で写真を撮って位置が正しいかを確認します。
        • 皮膚にインクで印を描き足します。
        • 約20~30分ほどかかります。

        治療前の最終確認

    • ⑥実際の照射

      • 実際に放射線があたっている時間は1~2分です。
        • 通常、1回の治療にかかる時間は準備を含めて10~15分ほどですが、実際に放射線があたっている時間は1~2分です。特殊な治療では1時間程度かかることもあります。
        • 初診時に全治療期間の照射予約をお取りしています。治療をスムーズに受けて頂けるよう、時間調整に最善を尽くしておりますが、ご都合のよい時間に予約が取れないことや、予定時間より遅れてしまう場合もある点をご了解ください。

        実際の照射

  • 5.よくある質問

    • 治療期間中もたいていは普段通りの生活を続ける事ができます。●日常生活で気をつけることはありますか
      治療期間中も、たいていは普段通りの生活を続ける事ができます。仕事をしながら通う事も可能です。治療が進むにつれて、疲れやすくなったり、治療部位に応じた副作用が見られたりすることがありますので、その際は十分に休息をとりましょう。

      ●髪の毛は抜けますか
      放射線の影響は治療部位だけに起こりますので、頭部にあてない場合は髪の毛が抜けることはありません。頭部の放射線治療の場合は治療開始から2週前後で抜け始めますが、数か月すると再び生え始めてきます。

      ●費用はどのくらいですか
      定期的に行われる診療報酬改定や治療方法によって異なります。詳しくはスタッフにお尋ねください。また、国の定める自己限度負担額を超えた場合は、他の治療と同様に払い戻しあるいは現物給付の対象となります。