血液内科について

「血液内科」という言葉を耳にしても、循環器内科や消化器内科という言葉と違って、一般の方は直感的には、イメージがわかないかもしれません。それはこの分野の患者さんの絶対数が多くはないのに加え、血液の病気とその症状が結びつきにくいことによるのだろうと思います。そのため、患者さんが自分から血液内科を受診して血液疾患が見つかることはまずなく、かかりつけの先生や他科の先生、あるいは健診から血液疾患が疑われて、血液内科に紹介されることが多いです。当科は大学病院などに比べて規模は小さいですが、地域の中核病院としてみなさまの信頼に足る血液診療の受け皿となるよう、邁進してまいります。血液検査での明らかな異常や出血傾向がある場合はもちろん、長びく発熱やリンパ節腫脹、骨痛なども血液疾患の可能性がありますので、ご相談ください。

血液内科で診る主な病気

血液腫瘍:急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫)、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性腫瘍(真性多血症、本態性血小板血症、骨髄線維症)
貧血性疾患:再生不良性貧血、赤芽球癆、溶血性貧血、発作性夜間ヘモグロビン尿症
出血性・血栓性疾患:特発性血小板減少性紫斑病、血友病、後天性凝固因子欠乏症、原発性抗リン脂質抗体症候群
免疫系疾患:キャッスルマン病、IgG4関連多臓器リンパ増殖症候群、原発性免疫不全症候群

診療内容と特色

上記のような血液疾患全般に対して、最新の知見に基づいた標準的治療を提供します。病棟には「クラス6」の無菌室2床を有し、血液腫瘍に対する化学療法を安全に行うことができます。治療内容によっては院内の通院化学療法センターと連携して通院(外来)での化学療法を行い、入院期間の短縮を図ります。疾患の状態を踏まえた上で患者さんのご希望に応じて柔軟に治療目標を設定し、そのための最善を尽くします。なお、当科では造血幹細胞移植(自家・同種)は実施しておりませんので、適応のある患者さんは専門施設に御紹介しています。貧血性疾患などの非腫瘍性疾患はクリアカットな診断が難しいことも多いですが、さまざまな検査を駆使して病像を明らかにし、最適な治療に結びつけられるようにいたします。

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