リハビリテーション科について

病気やケガによって運動機能障害や高次脳機能障害等をもった人を対象とし、医学的治療や治療的訓練を実施する診療科です。失われた機能の回復をうながすとともに、残された能力を最大限に引きのばすための治療や訓練を行い、患者さんが家庭復帰や社会復帰できるよう援助しています。
治療方法は、基本動作能力や移動能力の回復を目的とする理学療法、日常生活能力や社会適応能力の回復を目的とした作業療法、嚥下能力や言語および認知能力の回復を目的とした言語聴覚療法の三部門により構成され、リハビリテーション科医師の下、実用的な日常生活における諸活動の実現にむけてそれぞれ専門的な立場から治療に取り組みます。

※当面、他の診療機関からの紹介入院はお受けできません。

リハビリテーション科で診る主な病気

厚生労働省が定める施設基準により、以下に列挙する疾患に対しリハビリテーションを行います。

Ⅰ 脳血管疾患等リハビリテーション(I)

① 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血その他の急性発症した脳血管疾患又はその手術後の患者
② 脳腫瘍、脳膿瘍、脊髄損傷、脊髄腫瘍その他の急性発症した中枢神経疾患又はその手術後の患者
③ 多発性神経炎、多発性硬化症、末梢神経障害その他の神経疾患の患者
④ パーキンソン病、脊髄小脳変性症その他の慢性の神経筋疾患の患者
⑤ 失語症、失認及び失行症並びに高次脳機能障害の患者

Ⅱ 運動器リハビリテーション(I)

① 上下肢の複合損傷、脊椎損傷による四肢麻痺その他の急性発症した運動器疾患又はその手術後の患者
② 関節の変性疾患、関節の炎症性疾患、熱傷瘢痕による関節拘縮、その他の慢性の運動器疾患により一定程度以上の運動機能及び日常生活能力の低下をきたしている患者

Ⅲ 呼吸器リハビリテーション(I)

① 肺炎、無気肺、その他の急性発症した呼吸器疾患の患者
② 肺腫瘍、胸部外傷その他の呼吸疾患又はその手術後の患者
③ 慢性閉塞性肺疾患、気管支喘息、間質性肺炎、その他の慢性の呼吸器疾患により一定程度以上の重症の呼吸困難や日常生活能力の低下をきたしている患者
④ 食道癌、胃癌、肝臓癌、咽・喉頭癌等の手術前後の呼吸機能訓練を要する患者

Ⅳ 廃用症候群リハビリテーション(I)

① 急性疾患等に伴う安静による廃用症候群であって、一定程度以上の基本動作能力、応用動作能力、言語聴覚能力および日常生活能力の低下をきたしている患者

Ⅴ 心大血管疾患リハビリテーション(I)

① 急性心筋梗塞、狭心症発作その他の急性発症した心大血管疾患またはその手術後の患者
② 慢性心不全、末梢動脈閉塞性疾患その他の慢性の心大血管疾患により一定程度以上の呼吸循環機能の低下及び日常生活の低下をきたしている患者

Ⅵ がん患者リハビリテーション(I)

① がん患者であって、がん治療のために入院している間に手術、化学療法(骨髄抑制が見込まれるものに限る)、放射線治療、若しくは造血幹細胞移植が行われる予定の患者、または行われた患者
② 緩和ケアを目的とした治療を行っている進行がん又は末期がんの患者であって、症状の増悪により入院している間に在宅復帰を目的としたリハビリテーションが必要な患者

診療内容と特色

当院リハビリテーション科は、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のスタッフで構成され、総合的なリハビリテーションが可能な体制を整えています。
脳卒中をはじめとする脳血管疾患、骨・関節・靭帯・脊椎の外傷や疾患などの運動器疾患、呼吸器疾患、心大血管疾患、廃用症候群およびがん患者など、広範な疾患に対してリハビリテーションを提供し、超急性期から 回復期まで対応しています。
急性期では各診療科医師と連携してリスク管理を行い早期からリハビリテーションを開始できる体制をとっております。また30床の回復期リハビリテーション病棟を持ち、在宅復帰をめざせる患者さんに対して集中的な入院リハビリテーションを提供します。広い訓練室(合計448.63㎡)を設け、最新の訓練機器や嚥下評価のための検査機器なども取り入れております。