病理診断科について
- 平成20年4月、現病院移転開業と共に発足しました。
- 常勤病理医2名(+非常勤病理医)と細胞検査士6名(臨床検査技師を兼ねる)が勤務しています。
- 病理診断すなわち「顕微鏡レベルの病理学を用いた種々の医学的判断」を診療各科の依頼に応じて行う事を業務としています。
- 利用者本位の病理診断 User friendly pathology が運営理念です。
病理診断科で診る病気
病理診断のために各科で採取された患者様の組織や細胞、手術で切除された臓器のすべてが病理診断の対象となります。したがって当院で診療上病理診断を必要とするすべての病気を診ます。
診療内容と特色
1.病理診断科は新しい標榜診療科です。
標榜診療科とは医療機関が表示できる診療科目名です。平成20年4月より医療法厚生労働省省令で標榜科とすることが可能になり、当院開院時より旧「病理部」を病理診断科に改編しました。外来や病棟はありませんが、受診された診療科の依頼により病理診断業務を行い依頼科に報告しています。
2.病理診断とは病理学を応用した診断のことです。
人体から採取した材料を病理学の知識を用い顕微鏡で観察して診断することです。病理学は古代医学では「やまいのことわり」を論ずる医学研究そのものでしたが、近代以降は肉眼および顕微鏡で観察した組織や細胞の形態(姿・形)に基づき病気を理解する専門領域です。一方、診断とは病名をつけるだけではなく、病変の範囲や程度、原因の推定、見通し、治療に関連する物質の有無、治療の効果など、可能な医学的判断のすべてです。
3.病理診断は診断の対象により数種類に分類されます。
組織診断は小さな切除組織(生検)や大きな切除臓器から作成した組織標本を用いる診断です。細胞診(細胞診断)は尿や喀痰中の細胞や、病変を擦ったり針を刺して吸引して採取した細胞の観察による診断です。病理解剖(剖検)診断とはお亡くなりになった患者様の全身を調べ、病因や病態、経過の全体像の診断です。診断の種類により報告までの時間が異なります。
4.スタッフは全員病理診断の専門家です。
常勤病理専門医兼細胞診専門医2名、非常勤病理専門医、常勤細胞検査士兼臨床検査技師5名が勤務しています。病理専門医は日本病理学会、細胞診専門医と細胞検査士は日本臨床細胞学会の認定資格です。また、部長は病理専門医研修指導医です。
5.運営理念は、利用者本位の病理診断 User friendly pathologyです。
- 依頼内容に最も対応した病理診断
- 標準化され迅速な報告
- 依頼医との良好な意思疎通
- 院外病理医との協力体制
- 診断の質の向上のための研修
- 研修医に対する病理診断教育の重視
- 病院から病理診断専門医を育成する体制の確立
6.病理診断科があると良いことがいろいろあります。
- 手術中に凍結技術を応用して切除断端などを15分程で診断する術中迅速診断が可能
- 同一の病理医・細胞検査士が診断するので診断の再現性、一貫性が高い
- 依頼医と病理診断医が顔の見える意思疎通が可能
- 必要な臨床情報が容易に得られる
- 肉眼所見を加味した診断ができる